石垣島吹通川マングローブで現地調査を実施
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研究室では港湾空港技術研究所のご協力を得て,D1の中村さん,M2のPhyoさんがマングローブ林による二酸化炭素の吸収・排出に関する研究に取り組みはじめました.2021年8月には石垣島吹通川のマングローブにおいて約1ヶ月間の現地調査を実施しました.
沖縄県石垣島の吹通川マングローブ
マングローブ林は光合成による炭素吸収や複雑な地上根による有機物の堆積作用により,高い炭素隔離能力があると言われています.卓越した有機物により土壌内は常に還元状態となっており,陸上林と比較し土壌分解速度が遅いことも炭素隔離を促進しています.
マングローブクリーク
表層水中と水面直上大気中のCO2の連続測定を含む,水質の連続観測の様子
このように炭素の隔離場所として期待されているマングローブ林ですが,下げ潮時にはマングローブ林から海域へ流出する水中CO2濃度は一般的な海水と比べ約10倍高くなることが知られています.マングローブ林からの流出水はサンゴ礁を経て外洋へ輸送されていきます.
日本はマングローブの北限に位置し,東南アジアや南アジアの熱帯地方におけるマングローブ林とは様相が異なるところがあり,十分な研究の蓄積がありません.研究室では今後,炭素の吸収と排出をそれぞれ定量的に把握し,日本のマングローブにおけるブルーカーボンの全体像の把握を行いたいと考えています.