スリランカ・マラウィラ海岸における海岸侵食の実態とそのメカニズム
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研究の内容
コロンボ北部に位置するスリランカ西部海岸では,砂浜の侵食が沿岸域コミュニティの人命や資産の安全,漁業や観光等の生業を脅かしつつあります.この侵食の原因については行政や住民を含むステークホルダーの間で十分なコンセンサスが得られていないこともあり,砂浜を利用する,漁業者,ホテル関係者の間で,その対策を巡って,様々なコンフリクトが生じています.
本研究では河川流域の開発に伴う(特に建設業のための土砂採掘),河川から海岸への土砂供給が減少し,その結果1980年代から侵食が始まったこと,また,2010年代からは気候変動影響とも推察される波高の増大によって,侵食が深刻となっていることを明らかにしました.さらに,砂浜海岸を物理的に維持し,地元コミュニティの生活を持続可能なものとするための海岸管理のあり方について議論しています.
掲載論文
Ratnayakage, S. M. S., Sasaki, J., Suzuki, T., Jayaratne, R., Ranawaka, R. A. S. and Pathmasiri, S. On the status and mechanisms of coastal erosion in Marawila Beach, Sri Lanka. Natural Hazards, 2020. DOI (Preview)
地図と写真
砂浜の消失によって安全が脅かされている住宅を防護する石積み護岸
離岸堤によって形成されたトンボロを漁船の基地として有効活用